モトグッチ ノルジェ 1200GT インプレッション

モトグッチ ノルジェ 1200GT

佐賀の多良岳オレンジ海道にて撮影。綺麗な道路で交通量も少なく快適な道路でした。実験にシートのアンコを盛って走行していたので、シートが不恰好です。

私はロングツーリング用に、モトグッチのノルジェ(前期型2バルブ)というバイクを所有しています。私が乗っている初期型のノルジェはどうにも各部の煮詰め甘く、乗り始めた時は出来の悪さに驚きました。イタリアのメーカーにはよくある事だそうですが、モトグッチはピアジオ社に買収されました。

 

ノルジェの出来が悪い理由は、新生グッチの新しいラインナップに売れ行きが好調なツアラーを急ぎ追加したかったので、開発期間に余裕が無かったからではないか?と勘繰りました。

 

一番閉口したのがライディングポジションです。ハンドルは遠く高く、ロングツーリングでは私にとって嫌なポジションです。低いシートは停止時の足つき性が良好なので良いのですが、ステップとの距離が近いので膝の曲がりがきつく、距離を走ると膝の付近がやや窮屈に感じます。

 

短い距離なら良いのですが、だいたい200キロくらい距離を走ると体のあちこちに違和感を覚え、そちらに注意が向いてしまい気が散り、走行が楽しくありません。ノルジェにはオプションでローシートの設定がありまして、はじめ、私のノルジェの酷いポジションは、ローシートに変更されているからに違いないと思い込み、標準仕様のシートを注文しました。

 

様々な問題点

しばらくして到着した新品の標準シートは、私のノルジェに装着されているシートと同じ物でした。肩を落として自分の無知を反省すると共に、新生モトグッチの煮詰めの甘さを恨みました。(これは無駄な費用を払った八つ当たりですね)
また、エンジンからの熱風にも滅入りました。外気温25度を超えて、ジーンズ1枚くらいの衣服で走行すると、膝から下が熱くなります。火傷をするとか危険だとかというレベルではありませんが、いくらなんでも、これはあんまりではないかと嘆きました。

 

近年のモトグッチはオイル消費量が少ないので心配はありませんが、私はオイル消費量が多めの昔のBMWを所有していた時期がありましたので、オイルの消費量には気をつかいます。ノルジェにはオイルレベルの窓がありません。昔ながらのディップゲージでオイルレベルを確認するタイプなのですが、このゲージでオイルレベルを確認するには、アンダーカウルやサイドカウルを外さないといけません。

 

ノルジェ1200GTの優れた点

他にもフロントフォークのバネレートも低く感じますし、ハンドルの幅にも違和感を覚えます。「モトグッチが好きなので、アバタもエクボですね♪」と書けるほど私は人間が出来ていませんので、一時はノルジェに呆れ果てました。それでも売却しなかったのは、大柄のツアラーにしては軽量に感じ乗りやすく、小さい面積で最良の防風効果があるカウル、優れた積載性、なにより楽しいエンジンに惹かれているからです。

 

後期モデルと比較してみると・・・

暫くして、ノルジェの後期型の4バルブのパーツリストや画像を見て驚きました。
4バルブのハンドルのグリップの位置は、2バルブに比べて手前に位置しています。
さらにハンドル幅も狭くなっているように見えました。

 

シートも厚みを増して高くなっています。これで相対的にハンドルの位置も下がる上、膝の屈折も緩やかになりそうです。オイルディップスティック付近のカウルも変更されていて、カウルを取り外さずに点検出来そうです。

 

フロントフォークスプリングの部品番号を調べたら、部品番号は2Vと4Vで違っていました。
何か変更があったのでしょう。

 

とりあえずカスタマイズ

エンジン付近を眺めますと、シリンダーヘッドからシリンダー付近に、カウルが増設されています。このカウルがあれば、エンジンからの熱風を受けずに済みそうです。その後、喜び勇んで後期型の4Vのシートを注文し、同時に社外品のハンドルに変更しましたので乗車疲労などの低いレベルでのポジションへの不満はほぼ解消されました。

 

とりあえずというレベルですが、なんとかロングツーリングでの不満は相当に減りましたので、今年はサスやらエンジンの振動特性なんかをモデファイしようと考えています。

 

下の画像は、前期型の2Vと後期型の4Vを重ねた投影図です。ハンドルとシートの位置の変更が確認出来ます。はじめからこうして欲しかったですね(笑)

 

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下の画像は4V後期型のシートです。2V前期型との高さの違いはそれほどでも無いのですが、長距離走行での効果は大きいです。もう少しアンコを盛っても良いかと思っています。

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